北海道新聞旭川支社
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北極星

川崎正紀(留萌・飲食業)*鉄路の廃止  2020/01/19

 JR留萌線の存廃問題の先行きがなかなか見えてこない。留萌駅前に店を構える者としては、その動向が気になっている。

 留萌線は2016年に留萌―増毛間が廃線になった。その昔、1987年、旧国鉄羽幌線も廃止になっている。羽幌線廃止の日、生まれ故郷の苫前の駅で「さよなら羽幌線」と書いた横断幕を持って、最終列車を見送った思い出がある。

 幼いころ、羽幌線に乗って留萌の親戚の家に遊びに来たり、納内(深川)の祖母の家に行くのに留萌駅で乗り換えたりしていた。薄いプラスチックの器に入った熱くてビニール臭いお茶を飲むのが好きだった。留萌駅や駅前は人でごった返していた記憶がある。

 羽幌線が廃止になって羽幌駅前は寂れていき、デパートも食堂もパン屋もなくなった。人口も約半分になった。街から鉄路や駅がなくなるというのは、寂れた感がより一層増してくる。

 留萌線にはたくさんの人の思い出や思い入れがあるはずなのだが、目立った発言や意見は聞こえてこないような気がする。街から鉄路がなくなるかもしれないということは、街の在り方をもう一度熟慮していくことであろうはずだが、市民の関心は薄く感じる。

 これからの留萌線がどうなっていくのかを、大いに関心をもって見ていきたいと思っている。


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