北海道新聞旭川支社
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北極星

奥野真人(焼尻・ゲストハウス経営)*ログハウスを建てる 2019/05/12

 平成から令和へ移る10日間で僕ら夫婦は道内外から訪れた学生たちとログハウスを建てた。ログハウスと言っても6畳程度の小屋みたいなもので、われわれ夫婦の新たな寝室として使いたいと考えた。

 ゲストハウスでは、ゴールデンウイークや夏季休暇などの大型連休に合わせ、ボランティアを受け入れている。都会ではできない、島ならではの作業に取り組んでもらうのが狙いだ。参加者にとって貴重な体験となるよう努めている。

 参加したのは10~20代の男女4人。全員、DIY(日曜大工)はおろか工具を持ったこともないとのこと。当然苦戦した。基礎を打つための穴掘りに始まり、金づちでまっすぐくぎを打つことにも一苦労。正直、僕が代わったほうが仕事が速い。様子を見にきた島の漁師さんたちなら、もっと速い。だけど遠路はるばるやってきて貴重な10連休を焼尻島に費やしてくれたのだから、安易に代わるわけにはいかない。手伝いたい気持ちをぐっと抑え、アドバイスに徹した。

 ようやく完成を迎えたころ、みんな少し日に焼けてどこかたくましく見えた。元号が令和に変わり、特別なにかを意識することはなかったが、こんな機会に離島でログハウスを建てるなんてなかなか面白い経験じゃないか。参加者はどう感じたんだろう。


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