北海道新聞旭川支社
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北極星

森川理加子(士別・演劇集団主宰)*農家の屋根裏 2019/02/04

 農家の古い納屋や農舎は、いつか使うかもしれないという理由で保管されたガラクタでいっぱいなものだ。世代が変わって古いものは処分したという話もよく聞くが、わが家は家族そろって貧乏性で、なかなか物が捨てられない。だが、ここ20年で古い家を壊すことになったり、農舎や車庫が雪でつぶれたのを機会にだいぶ処分できたと思う。

 逆に言えば20年かかってもまだ残っているものがいっぱいある。しかも、予想外の場所にガラクタの山は眠っているものだ。

 昨冬の大雪で車庫がひとつつぶれ、残った車庫も何本かの柱や梁(はり)が折れて危ない状態になった。業者に修理を頼もうと思ったら、わが家の建物の多くを祖父と建てた父が「このくらい自分で直せる」と豪語し、「俺は高齢で口しか動かせんからおまえがやれな!」と何故か私が修理をする羽目に。修理代はほとんどかからなかったが大変だった。

 車庫の屋根裏には重い機械や謎の道具類がたくさん仕舞込まれていた。ジャッキで梁を持ち上げたり柱をはめてボルトで固定したりという作業より、つぶれかけた車庫の2階から重量物を片付けることが1番大変だったと声を大にして言いたい。しかも父が「これなんだべ?」と何に使うか忘れてしまったものばかり。まったく、古い農家のガラクタ埋蔵量は半端ない!


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