北海道新聞旭川支社
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北極星

 森川理加子(士別・演劇集団主宰)*合理的って難しい 2018/08/27

 てきぱきと働き、時間を上手に使って合理的に物事を成し遂げる。昔からそんな女性に憧れてきたが、理想と現実は違う。

 夏休みは毎日ダラダラと過ごし、最終日に慌てて宿題をやるような子供だった私が、大人になって劇的な「ビフォーアフター」を遂げるはずもない。しかも、合理的とずぼらを履き違えて育ってしまった。

 先日も朝食の用意をしながら、レジ袋を捨てるついでに鍋も食卓へ移動させようと、腕にレジ袋をくぐらせた状態でみそ汁の鍋を持ち上げた。その瞬間、レジ袋が鍋の隣にあったフライパンの持ち手に引っかかり、鍋をひっくり返して手にやけどを負ってしまった。

 少しばかり動く回数を怠ったばかりに余計なやけどを負い、手を冷やしたり、こぼれたみそ汁の片付けをしたりで余計な手間がかかってしまった。それでいて、行動している時には「どうせ動くなら合理的に!」「私ってデキる女!」と考えていたのだから、われながら痛さも倍増だ。

 まるで私の人生を凝縮したような失敗だった。あれもこれもと欲張り、出来もしないのに同時進行して、思いがけないものに手をとられヤケドする。なんだか故事成語が出来てしまいそうな話である。何事も合理的に手際良くと、心がけだけは良いのだが、ずぼらな私に理想は遠いのである。


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