北海道新聞旭川支社
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北極星

 安川としお(士別・朗読パフォーマー)*雪はともだち 2018/02/08

 昨年12月から連日雪に見舞われ、もうそろそろ雪対策から解放されたいと思っている。しかし、この地方の冬で、雪と寒さは絶対に外すことのできないもので、人々は以前から雪と寒さに親しみ、生活に取り込むための営みを続けてきた。

 上川地方には自動車関連産業の寒冷地技術試験場が数多く立地している。関係者の話によると、この一帯は世界の中でも極めて珍しい気候なのだそうだ。普通、雪の多い所は気温があまり下がらないのだが、上川地方は雪が多いのに気温もかなり下がるという特異性がある。このため、さまざまな条件の下でのテストが可能だというのだ。

 韓国の平昌(ピョンチャン)で開幕する冬の五輪。次の開催地は中国・北京でその後には札幌も名乗りを上げている。ジャンプをはじめとするノルディック種目はもちろん、アルペンやフリースタイルスキー、スノーボードなどの合宿地として、この地域の可能性は大きく広がる。

 先日、雪の残る東京で、グレーダーやロータリーなどの除雪機械を操るオペレーターの芸術的なテクニックと、雪を巻き上げる壮観な光景について話したところ「その除雪車に同乗できるツアーがあれば、ぜひ参加したい」という反応が返ってきた。そのことについて思いを巡らせていたら、家の屋根の雪が音を立てて落ちてきた。


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