北海道新聞旭川支社
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北極星

 伊藤由紀子(留萌・主婦)*ちゃぶ台  2018/01/25

 子どもの頃は寝ぼけ顔を冷たい水でペロンと洗って、家族6人が大きなちゃぶ台を囲んで座り、朝ご飯を食べた。姉弟4人は箸立てや小さなしょうゆ差しを並べたり、手伝いをした。

 夕食は父の帰宅を待って5時半に始まった。夕食の食材の買い物は私の係で、近くの市場へ行った。顔なじみの魚屋のおじさんが安くておいしい魚を勧めてくれた。

 両親の後押しがあって、近くの大学(2年制)の試験に受かったら進学させてもらえることになった。ちゃぶ台にテキストを広げ、父の晩酌を横目に必死になって勉強した。ひと休みに父の杯の安酒をちょっとだけとチビリとやり、真っ赤な顔になって、母にばれて叱られた。

 父が古い板をもらって来て、2階の屋根裏に敷いて小さな勉強部屋を作ってくれた。板の上に古毛布を敷いて座卓を置き、裸電球をぶらさげて完成とした。何のことはない。ちゃぶ台から追放されてしまったのだ。

 最近、孤食が多くなったと聞く。留萌では、孤食は駄目と、有志が集まって子ども食堂を始めた。町内会の会館で子どもたちと近くの高齢者が参加し、にぎわったという。回を重ねると参加者が増えて、広い公民館に移った。

 次回の子ども食堂に300円持って参加しようと思う。


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