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北極星

嶋崎暁啓(豊富・NPO職員)*1枚の絵をきっかけに 2017/11/23

 縁と言うのは本当に不思議なものだ。現在公開中のドキュメンタリー映画「生きとし生けるもの」が12月10日に豊富町で上映されることになったのは、全くの偶然からだった。

 きっかけは、ある女性による1枚の絵だった。映画を鑑賞した彼女は、道内の野生生物に迫った映像に心動かされ、自宅に帰ると鉛筆でキツネを描いた。その表情は凜(りん)として、見る者をとらえて放さない魅力的な作品に仕上がった。ネット上の交流サイト(SNS)にアップしたところ、たまたま今津秀邦監督の目に留まり、映画のポスターに採用されることになった。

 作者は札幌在住の秋本真見さん。彼女が豊富町出身だったことから、町観光協会を中心に上映会のプロジェクトが動きだす。今津監督から快諾を得て、今秋、有志らが実行委員会を結成。1枚の絵が結んだ縁を大切に、来月に迫った上映会のPRに汗を流している。

 試写会で鑑賞した映画は素晴らしかった。躍動する生き物たちの力強さ、彼らを時に優しく、時に厳しく包み込む自然の美しさ、そして情感豊かな音楽に感動した。彼らの本能に従った潔い生きざまを見ているうちに、人間本来の姿、生き方とは何かという根源的なことを考えさせられた。

 午後1時半と同6時の2回、豊富町民センターで上映される。前売り大人千円(当日1100円)、高校生以下無料。ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。


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