北海道新聞旭川支社
Hokkaido shimbun press Asahikawa branch

北極星

桑原隆太郎(名寄・文化団体事務局長)*団塊世代の75歳  2017/02/18

 2年ほど前から週1回、市民卓球サークルに通っている。結構な運動量で体力アップの効果もある。メンバーはほぼ全員が60歳以上で70代が最も多く、80歳を超えて腕達者な人が何人もいる。皆さん実にはつらつとしていて、練習風景に「高齢者スポーツ」のイメージはない。

 新聞報道では、高齢者の定義を65歳以上から75歳以上に引き上げる提案が日本老年学会などからあった。「社会を支える側として、もっと活躍してほしい」という狙いらしい。

 確かに人生80歳時代の今日、65歳からの10年間を高齢者の枠に押し込めるのはそぐわない。今を生きる大多数の65歳~74歳の人を「老人」の同義語である「高齢者」としてくくるのには無理がある。67歳の私としては「自分が高齢者の仲間入りをするのは75歳から」と思うことにしたが、一方で75歳はいわゆる団塊の世代の「2025年問題」に直結する。

 私が生まれた1949年の出生者数は269万6638人で団塊の世代(47~49年生まれ)でも最多だ。その団塊の世代が「後期高齢者」となる75歳以上に突入するのが25年だ。その時、国民の5人に1人が75歳以上になり、超高齢社会での医療や介護、年金などの社会保障費が膨大となり、国家財政の極度の逼迫(ひっぱく)や社会不安を引き起こしかねない。

 学生時代は団塊の世代に生まれたことに胸を張れたが、今となっては少子化時代を生きる若者世代につけを回すようで心苦しいこと、この上ない。


戻る