北海道新聞旭川支社
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北極星

佐藤アレーナ(留萌・主婦)*田舎暮らしの良さ  2016/12/09

 留萌で暮らすようになって20年。故郷のアメリカで過ごした年月と同じくらいになりました。両方の国で田舎暮らしも都会暮らしも体験しました。文化や土地は違っても、田舎は田舎ならではの暮らしがやっぱりあります。アメリカの田舎で生まれたおかげで、留萌での暮らしにすぐなじむことができたと思っています。

 私が生まれたのは米西部の最も北にあるワシントン州アルマイラ。人口500人ほどの農産地で、実家は小麦農家でした。学校、病院、人は都会に流れて行きました。心配事は留萌と同じです。でも、同じ田舎ならではの素晴らしい共通点がたくさんあります。

 車が雪にはまったら誰かが手を貸してくれます。地域のイベントは人でいっぱい。それは住民が交流できる機会にもなります。子供は近所の目によって守られ、1人暮らしのお年寄りに気をかけてくれる人も周りに多くいます。

 情報は口コミで伝わることが多く、しかも早い。道路のど真ん中にとりあえず車を止め、窓を開けるだけで伝わる場合もあります。他人より知人の方が多いような社会は、面倒なこともあるかもしれないけど、社会性が育てられるのではないかと思います。

 転勤で留萌を離れてしまった友達がよく言うのは、留萌では仕事をしようと思っても個人的に何かをしたいと思っても、誰かがつなげてくれるということです。私も、留萌は人と人のつながりが強いので孤独を感じにくく安心感があると感じています。子供たちが安心して暮らせるのも、付き合いの幅が広い、この地域ならではのネットワークがあるからではないでしょうか。


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