北海道新聞旭川支社
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北極星

桑原隆太郎(名寄・文化団体事務局長)*腑に落ちない  2016/08/01

 先日の道新に載った「中川町フォレストツーリズム」の記事の中で「町が旭川家具工業協同組合に広葉樹材を供給する関係で…」という記述があった。この「町が」というところは、私は「まちが」ではなく、「ちょうが」と読む。

 ところが、NHKのアナウンサーはテレビやラジオのニュース放送において、道新記事にあるような文脈で使われる「町」を「まち」と発音することが多い。これが、私には腑(ふ)に落ちない。

 NHKに限らず、世間一般でも同じことが言える。例えば、旧風連町の議会でも議員が「まちはどう対応するのか」と問い、理事者が「まちとしてはこうしたい」などといったやりとりがごく普通に行われていた。

 しかし、これらの場合の「町」は、固有名詞である中川町なり風連町を単に短縮して「町」としているのだから、「まち」という言い方は正しくない、というのが私の見解だ。北海道や名寄市を「道」や「市」と言うのと全く同様に、中川町や風連町を「町(ちょう)」と言うのが当然ではないか。

 この文脈で「まち」と言うのが許されるのは、道内でいえば「森町(もりまち)」だけだ。「村」についても「音威子府村」の短縮形の「村」は「むら」であり「そん」ではない。

 「まち」でも「ちょう」でもどっちでもいい、とは思わない。「町(ちょう)」は固有の自治体を指すのであり、抽象的な「まち」に代替されるべきではない、と思うからだ。「そこまでこだわらなくとも…」という気分をひきずりながらも、性分なのであろう、やはりこだわりたいのである。


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