北海道新聞旭川支社
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北極星

大橋賢一(道教大旭川校准教授)*チューバの調べ  2016/07/10

 去る6月17日の夜、旭川市神楽公民館・木楽輪(きらりん)で開催された藤田雅(みやび)さんのピアノ、鈴木浩二さんのチューバのリサイタルに行ってきました。

 鈴木さんは九州交響楽団のチューバ奏者で、北海道教育大学札幌校のご出身。僕の先輩にあたります。僕は同校の吹奏楽団に所属しチューバを担当していましたが、その楽団の創始者が鈴木さんでした。

 1991年、僕がロンドン大学に留学していたとき、鈴木さんがミュンヘン国立音楽大学の修士課程に入られたので、遊びに行って市内を案内していただきました。おいしいビールを一緒にいただいたことも思い出深いですが、大学での鈴木さんの練習姿が今でも目に焼き付いています。

 幻想交響曲に用いられているグレゴリオ聖歌「怒りの日」の旋律を、お一人でもくもくとさらってらっしゃいました。つややかで豊かなすてきな音色でした。

 鈴木さんのご活躍は聞いてはいましたが、遠方でのリサイタルが多く、うかがえず残念に思っていたところ、旭川で演奏会をするとの知らせを受けました。ピアニストの藤田さんは、米国インディアナ大学音楽学部のときの同窓生とのこと。藤田さんが旭川で音楽活動をすることになり、今回の演奏会が企画されたそうです。

 お二人の息はぴったりで、多くの素晴らしい演奏を聴かせてくださいました。特にチューバのために作曲されたボザ「小協奏曲」はかっこよかったです。いつかまた演奏会にうかがいたいと改めて思いました。


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