北海道新聞旭川支社
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北極星

斎藤美和(富良野高教員)*大成功! 大成功!  2016/01/29

 ここは、富良野スキー場キッズコース。かつのりコーチが魔法の言葉を繰り出した。娘はゆるやかな斜面をハの字で降りてくる。しばれた空に笑顔が広がった。

 「ミッフィースキースクール」。保育所のおたよりポストに入った案内文。4~5歳初めてのスキースクールだ。同僚は言う。「親子でスキーは絶対けんかになるから。初めはミッフィーがいいよ」。早速申し込んだ。

 1月11日当日。朝からキリリと冷え込んだ。「行かない」とぐずる娘。つなぎを着せ車を走らせる。受付ゲートを誤り30分遅れ。レンタル受付でスキー靴を「履かない」の一点張り。受付女性を巻き込み30分。「今日はスキーを脱ぎ履きするだけにする。絶対に滑らないから」と騒ぎ、合計1時間遅れでロッジに到着した。

 待ち構えていたのは爽やか好青年のかつのりコーチ。巧みな誘導に脱帽した。スキー靴の雪を払ったら「大成功」。スキーを履いたら「大成功」。スキーで歩いたら「大成功」。何をしても拍手が響く。娘はいつの間にか山頂へ。ハの字で滑り両手を広げて止まる。2度転ぶも、転ぶ練習が出来たと「大成功」。無事レッスンは終了。なんとか第一関門を突破した。

 後日、珍しく夫がお風呂の排水溝を掃除しているではないか。「お父さんありがとう、大成功」。魔法の言葉は、夫にも誰にでも応用可能だ。


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