北海道新聞旭川支社
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北極星

嶋崎暁啓(豊富・NPO事務局長)*輝く瞳が増えるよう  2016/01/12

 「ヨイショー!」。子どもたちの元気な掛け声が館内に響いた。冬は静けさに包まれるサロベツ湿原センターも「クリスマス&お餅つき会」の時ばかりはお祭り騒ぎとなる。子どもたちは、つきたてのお餅を丸めてお雑煮やお汁粉の中へ…。おなかいっぱい食べた子どもたちの幸せそうな表情に周りの大人も笑顔になる。今回は過去最高の80人以上の参加があり、その多くは地元の親子連れだった。それはこの1年、センターを拠点とした子ども活動が今までで最も充実した年だったということを物語っていた。

 当法人の子ども活動「なまら!!サロベツ∞クラブ」は、数年前まで存続の危機にあったが、現在はスタッフの努力が実り、メンバーも20人ほどに増えた。秋のイベントでは、子どもたちが大人を相手に木道をガイドする初めての試みも見事成功させた。また春からは、地域の母親サークル「サロベツでのびのび育てるママの会」による自然観察会が始まった。毎月20人ほどの親子が参加し、赤ちゃんと一緒にお母さん方が木道散策する光景も、すっかりおなじみとなった。

 赤ちゃんは成長し、いずれ小学生へ。小学生はやがて高校生、大学生となる。彼らがサブレンジャーとして活躍してくれる日が来たらどんなにうれしいことだろう。そして、大人になってサロベツの魅力を伝える仲間になってくれたら…と期待は膨らむ。

 ここには手を伸ばせばいつでも触れられる場所に日本を代表する素晴らしい湿原がある。しかし、今までは子どもや親たちにとって遠い存在だったのではないかと思う。この恵まれた自然環境をもっと地域の子育てや人づくりに生かせるのではないか。子どもたちのキラキラした瞳が一層輝くように、新しい年も全力でサポートしていきたい。


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