北海道新聞旭川支社
Hokkaido shimbun press Asahikawa branch

永瀬充のGO!パラスポーツ

 29*地方でも関心高めたい     2019/10/07

 私が初めて講演をしたのは1998年長野パラリンピックの後。出身高校の宿泊研修で話した。数週間前から何を話そうかと考え、原稿を書いたのを覚えている。数百人を前に話すのは初めてで、とても緊張し何を言いたいのかわからない講演だったかもしれない。

 前職の福祉関係の仕事をしていた時に会った20歳くらいの女性に、小学生の時に私の話を聞いたと言われたことがある。確かに10年近く前に講演した記憶がある。そのことを覚えていてくれたことがうれしかったのと同時に、講演する責任感を強く感じた。今は私自身も楽しみながら話をして、パラスポーツ用具に触れてもらったり、特に小学生であれば飽きないようにクイズをしたりして工夫できるようになった。

 先月、利尻富士町で講演をする機会があった。町内の小中学生や高齢者施設でパラリンピックの話をし、メダルに触ってもらった。何か一つでも心に残ってくれればうれしい。

 来年、東京パラリンピックが開催されるが、都市部以外では関連イベントも少なく、遠い話に感じてしまう。今後も機会があればさまざまな地域に行ってパラリンピックの素晴らしさを伝え、より関心を持って東京パラリンピックを見てもらいたい。そして、多様性や共生社会を考えるきっかけにしてほしい。


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