北海道新聞旭川支社
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永瀬充のGO!パラスポーツ

 25*情報 偏らず発信したい     2019/05/20

 テレビ番組やCMでパラアスリートを見る機会がとても増えた。以前は数カ月に1度くらいだったが、今は週にいくつも関連番組があり、当たり前に目にするようになった。

 うれしいことだが、取り上げられるのはいつも車いすや義足、切断、視覚障害といった人たちばかりなのが気になる。たしかに障害は見て分かりやすいし、私自身も取材をして訪問記を書くから、メディアが取り上げようとする気持ちはわかる。しかし、パラリンピックには知的障害や先天性奇形、脳性まひ、腕にまひのある人など、一見してどこに障害があるのか分からない選手も多くいることも知ってほしい。

 先日、札幌でパラアイスホッケーの体験会をしたときに脳出血の後遺症で左半身にまひのある小学生が参加してくれた。両親が「パラリンピックには車いすや義足の人だけが出られるが、娘のような障害の選手はいないと思っていた」と話した。もちろん半身がまひの選手は陸上や水泳、卓球などさまざまな競技に出場できるものの、まだまだ知られていないと実感した。

 パラリンピック選手が与える影響力は大きく、その姿を見てスポーツを始めようと思う人もいるが、伝える情報が十分でなければ偏った理解をされてしまう。まだあまり知られていない競技や障害クラスも多いので、もっと情報を伝えて、多くの障害のある人にスポーツを始めるきっかけを作っていきたいと思う。


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