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永瀬充のGO!パラスポーツ

 17*義足で陸上環境整えたい     2018/07/30

 21日に札幌コンベンションセンターで開かれた競技用義足を使ったランニング教室の見学に行ってきた。2度のパラリンピックに出場した南アフリカの義足のランナー、アルヌ・フォーリー氏が講師となり、4人の受講者に走り方を指導していた。

 私はパラリンピックの映像などで何度も義足のランナーを見たことはあったが、実際に目の前で見るのは初めてだった。フォーリー氏は板バネと呼ばれるカーボン製の競技用義足を自由に使いこなし、軽やかに走っていた。3人の受講者は初めての競技用義足使用だったため、最初はバランスを取ることも難しそうだったが、約2時間の練習で最後は走れるようになっていた。大腿(だいたい)部を切断した知人も受講していたが、終了後に生き生きとした顔で「これからもいろいろ挑戦してみたい」と話していた。

 東京には義足ユーザーを中心とした陸上チーム「スタートラインTokyo」があり、多くの切断者が参加している。しかし、残念ながら北海道には義足でスポーツをしている人は数名いるものの、同様のチームがなく、義足でスポーツをしようと思っても、情報や指導者がいないのが現状だ。子供から大人まで、義足で走ったりスポーツをしたいと思っている人はいるはずなので、道内でも活動できる環境をつくっていきたい。


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