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日曜談話室

阿部雅司さん(54)*名寄市スポーツ振興アドバイザー*札幌冬季五輪招致へ経験糧に*有望選手の発掘、育成図る(2020年1月19日掲載)
あべ・まさし
1965年、留萌管内小平町生まれ。94年リレハンメル五輪ノルディックスキー複合団体で金メダルを獲得。95年に引退し、約20年間にわたり日本代表コーチを務めた。2016年4月に名寄に着任し、スポーツを通じた地域活性化に力を注ぐ。

 【名寄】リレハンメル冬季五輪ノルディックスキー複合団体金メダリストで、名寄市のスポーツ振興アドバイザーを務める阿部雅司さん(54)が、今年4月から札幌市に軸足を移し、2030年五輪・パラリンピック招致活動に携わることになった。招致活動に対する思いや、冬季スポーツの拠点化を目指す名寄での今後の活動について聞いた。(聞き手・名寄支局 鈴木宇星)

 ――昨年12月に会見を開き、冬季五輪・パラリンピックの招致活動に関わることを発表しました。

 「今月末に日本オリンピック委員会(JOC)が札幌市を国内候補地に決める見通しで、招致活動が本格化します。五輪・パラリンピックの招致に向け、札幌市民や道民の気持ちを盛り上げていくことが私の仕事です。また選手や指導者の声を行政に伝え、競技施設の利便性を高めることにも取り組みます」

 ――札幌への五輪・パラリンピック招致には強い思いがあると聞いています。

 「選手で3回、コーチで5回、五輪に関わりました。自分の力を生かせるのはスポーツしかない。だからこそ札幌への五輪・パラリンピックの招致が実現すれば、最高のスキー人生になると思います。名寄での活動で得た経験を生かして、力を発揮したいです」

 ――一方で、名寄市が取り組む冬季スポーツ拠点化事業に対する影響を心配する声があります。

 「招致活動に関わる条件として、これまで取り組んできた名寄市での活動を継続することを前提に札幌市の要請を受けました。名寄の滞在日数は月に7日程度ですが、小学校の体育の授業での指導、毎週1回夜の街中を走るナイトランなどは、これまで通り続けていきます。4月からは冬季スポーツの拠点化を目指す名寄の官民組織『Nスポーツコミッション』が、将来有望な選手の発掘と育成を図る『ジュニアスポーツアカデミー』を開講します」

 ――アカデミーについて概要を教えてください。

 「小中高生が対象で20人を募集し、月2回程度開きます。初回に行う体力測定の結果を踏まえて参加者のレベルに合わせたトレーニングを行い、さまざまな競技に生かせる基礎体力の向上を目指します。トレーニングだけでなく、サッカーや野球などいろいろなスポーツを体験してもらい、子どもたちの才能を引き出します。また子どもだけでなく、地元少年団などの指導者の参加を募り、ジュニアに対する指導法についても情報を共有する場にしたい」

 ――Nスポーツコミッションは昨春の設立ですが、今後の課題は。

 「今後は大きな共通目標が必要だと思います。例えば、五輪・パラリンピックの開催地が札幌に決まれば、バイアスロンなどの名寄開催に向けた招致活動を目標に据えるのもいい。市民も含め、全体が一つにまとまる目標があれば、スポーツを通したまちづくりがさらに進展すると思います」


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