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いわもと・まさき 1972年、上川町生まれ。後志管内俱知安高を卒業後、札幌のスポーツ用品販売会社やスキーのインストラクター、上川町役場の臨時職員を経て、2002年から層雲峡観光協会で勤務する。
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【上川】層雲峡温泉の観光スポット「紅葉谷」で昨秋、ライトアップイベント「奇跡のイルミネート」が初めて行われ、23日間で8800人の観光客を呼び込んだ。手掛けたのは層雲峡温泉の若手経営者らでつくる「層雲峡温泉未来観光戦略プロジェクト」。事務局を務める層雲峡観光協会の岩本昌樹さん(47)に、これまでの経緯と今後の取り組みについて聞いた。(聞き手・旭川報道部 宗万育美、写真・打田達也) ――イルミネートのアイデアはどのように生まれましたか。 「層雲峡のライトアップは、ホテル関係者らの長年の夢でした。観光客でにぎわうのは登山シーズンと、氷瀑(ひょうばく)まつりの期間です。宿泊客数を増やすための夜間のイベントとして、渓谷や紅葉を照らせたらと考えていましたが、国の理解や協力がなければ実現できませんでした」 ――経緯を教えてください。 「夜間のライトアップは大雪山国立公園内の生態系に影響があるとされていましたが、道外の国立公園でライトアップイベントが行われていることを知り、実現の可能性を探りました。事前に環境コンサルタントに依頼して動植物の生息環境を調査し、環境省に認めてもらいました。ただ、ライトアップ期間中もモニタリングを行い、生態系に影響が出れば中止するという条件でした。2回目となる今年は9月14日からライトアップを行い、今回からプロジェクションマッピングも取り入れます。紅葉谷の遊歩道15メートルに、人が歩くと紅葉が散る映像を投影する予定です」 ――シカの食害や台風の影響で紅葉などの広葉樹が減っています。 「昨年8月、ライトアップに先立ってカエデなど3種類の苗木50本を植樹しましたが、翌日にはシカに食べられてしまいました。今春、(インターネットで資金を募る)クラウドファンディングで130万円の資金を集め、6月にあらためてモミジの幼木と成木計100本を植えました。層雲峡は自然が魅力。100年後まで美しい紅葉を残すためにはシカの食害を見越して植樹し、美しい自然の保全に取り組む必要があります」 ――プロジェクトの今後の活動を教えてください。 「(上川町などが出資する株式会社の)大雪山ツアーズが層雲峡の観光名所『小函』のラフティングツアーを来年から行う予定で、運航基準を決めるなどの準備を進めています。また、渓谷にある層雲峡は寒暖差が大きく、9、10月は3~4割の確率で雲海を見られ、雲海を目玉にして宿泊客を集める方策も探っています。若手が集まった強みを生かし、若い世代の嗜好(しこう)に合った観光のあり方を追求したいです」
*取材後記 「石狩川からラフティングで見上げる小函の(柱状の岩が並ぶ)柱状節理は大迫力。地元の人も驚く」「秋は晴れれば、高い確率で雲海が見られる。知られていないのがもったいない」。質問を投げかけると、人好きのする笑顔で層雲峡の魅力をとうとうと語り、地域への強い愛情を感じた。実際に観光資源を掘り起こしてきた人の言葉は説得力があり、取材だけでなく個人的にも訪れてみたいと思った。
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