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しみず しょうご 苫小牧市出身、駒大苫小牧高から旭川大経済学部へ。卒業後は旭川のNPO法人に就職し、2017年に退職。保育士の妻と長男、次男の4人家族。山に子供を連れてきこり体験をするのが最近の楽しみ。北海道自伐型林業推進協議会副代表理事を務める。
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山林の所有者自身が森林管理や伐採、販売に取り組む「自伐型林業」。旭川市内の清水省吾さん(32)は2014年に突哨山(旭川市、比布町)の山林4・7ヘクタールを入手し、2年ほど前から自伐型林業を生業とする。一本一本の木を大切に扱う小規模経営ならではの林業の可能性について語ってもらった。(聞き手・五十嵐俊介、写真・打田達也) ――山にはいつ興味を持ったのですか。 「旭川大生の時にゼミの教授の影響でコウモリに関心を持ち、山に入るようになりました。卒業後、道教大岩見沢校の学生と東鷹栖地域の住民に聞き取り調査を行い、山林所有者に山を持つ利点を聞いたところ、『特にない』と冷めた答えばかり返ってきました。いまの林業は所有者が森林組合に管理を任せ、お金をもらう仕組み。所有者と経営者が別なのは問題だと思いました」 ――現状の林業に危機感を抱いていると。 「林業の現場に何度も足を運び、多くを学びました。大型重機には高額な投資が必要で、動かすために多くの二酸化炭素を排出すること。多額の税金が投入されていること。産業として持続可能で、環境に配慮した方法で林業を生業にしようと決心しました」 ――「切らないきこり」と名乗っていますね。 「皆伐しないということです。僕が持つ山林は3カ月程度で皆伐できる。でも、目指すのは木を一本一本プロデュースする林業。京都のお客さんから『樹皮が欲しい』という注文を受け、山に入って適した木の写真を送って交渉、中の部分をまきとして別の方に販売したことがあります。こうした消費者ニーズに合わせた山林の使い方をしたい」 ――林業の年間平均所得は約300万円とほかの産業に比べて低い。自伐型で生計は成り立ちますか。 「野菜栽培したり湧き水を使ったり自給した上で、平均で月額11万円以上の収入を確保しています。1年前に注文を受ける主力商品のまきは、秋には売り上げが伸びる。冬場の需要は落ち込みますが、樹木の中の水分が少ないので、伐採後は収縮しにくく、かびにくい。樹皮付きクラフトの材料として最適です」 ――今後の夢を教えてください。 「産地の明記が進んでいる農業や漁業と違い、同じ1次産業でも林業は消費者に遠い存在だと感じる。いま、マチの人を招いて冬のスノーシュー散策や木工作りを楽しんでもらっています。こうした活動を通じ、『地域に山があり、きこりがいて良かった』と思ってほしい。山林を活用し、もっと多くの人に楽しんでもらう里山文化を根付かせたいと思います」 *取材後記 学生時代は山林を個人が所有していることも知らなかったが、山の魅力にとりつかれた後、山林の所有者を一軒一軒訪ねて売買の交渉をしたという。取材中、「木にとって僕はAKB48の秋元康さんでありたい。どんな“子”もセンターになれる」と話し、樹齢70年のミズナラに抱きついた。夢を熱っぽく語り、経営を考えながら行動に移す。そこに先駆者としての資質を感じた。
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