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アレクサンドラ・モウブレー オーストラリア・シドニー生まれ。中学2年の時に初来日し、京都で3週間短期留学した。シドニーから約80キロ南のウロンゴン大学で日本語の学士号を取得。卒業後は同市の森林保護団体に勤め、2017年8月からゴ市職員。
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【士別】市の友好都市オーストラリアのゴールバーン・マルワリー市の職員から士別の英語指導助手(AET)になった女性がいる。9月に着任したアレクサンドラ・モウブレーさん(37)。英語教育は来年度から小学5年生以上で正式な教科になる重要な転換期を迎える。市内の小学校を回り、子供たちの英語学習の充実のため奔走するモウブレーさんに教育現場で感じたことを聞いた。(聞き手・士別支局 山村麻衣子、写真も) ――7月にゴ市の公式訪問団の一員として士別に訪れたことをきっかけにAET就任が決まりました。 「昨年8月から、ゴ市職員としてリサイクル分野を担当していました。今年3月ごろ、私が大学で日本語を学んでいたことを市長に話すと訪問団へ参加するよう誘われました。士別に来て、歓迎会後にAETを探していることを聞き、その場で『やります』と言いました。日本で先生になることは夢だったので、こんな機会は二度と無いと思いました」 ――小学校での授業はどうですか? 「担任教員のサポートです。9月末に来たばかりなので、他のAETと一緒に授業に入っています。日本の子供は英語嫌いと聞きますが、どの児童も楽しそうに勉強しています。今は英語の授業ではテストが無く、他の教科と比べて楽しめているのかもしれません。児童によって、発音、語彙(ごい)力などの習熟度や英語への興味は違います。得意な子がより難易度の高い内容に挑戦でき、苦手だと感じている子には興味を引くことができる話題を提供して学習のきっかけをつくれるよう、たくさんの子供に話しかけるようにしています」 ――教員や親など大人にも英語が苦手な人は多いです。 「学習が進んでいると感じるクラスは、担任の英語のうまさではなく、熱意に関係していると感じます。英語の歌を毎日歌わせたり、担任が熱心だと子供にも伝わります。実践的な部分では、歌はリズムや音程で発音や文章の感覚をつかむことができ、有効だと思っています」 ――士別市とゴ市は来年で友好都市締結から20周年を迎えます。両市の絆を強める役割も果たしていますね。 「私は、ゴ市と士別市の間での初めての職員の交換配置として士別市のAETになりました。私自身には新鮮でわくわくするような経験で、双方の市にとっては関係を発展させ、異文化交流を進めるすばらしい機会だと感じます。AETの契約は1年更新ですが満期の3年間務め、ゴ市の生活や文化についても伝えていきたいと思います」
*取材後記
学校では「ミス・アレックス」と呼ばれ親しまれている。趣味はキャンプ、ハイキングなど活動的。ゴ市は雪があまり降らず、雪深い士別の冬を楽しみにしているという。完璧な日本語が話せるわけではないが、ころころと表情を変え、身ぶり手ぶりも交えてインタビューに答える姿に、コミュニケーションのうまさを感じた。子供たちとも上手に接し、多くのことを教える先生になると期待できた。
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