北海道新聞旭川支社
Hokkaido shimbun press Asahikawa branch

ヒューマン

熊野博幸さん(65)*北海道宅地建物取引業協会旭川支部長*不動産情報正しく速く 国交相表彰*ネット発信いち早く研究 2018/08/19
くまの・ひろゆき
旭川市生まれ。旭川商業高情報処理科の1期生。卒業後、現在社長を務める「永山土地」の前身の会社に就職。1993年から社長。宅建協会旭川支部長には2016年に就任し、道協会の副会長も務めている。旭川支部は上川・宗谷・留萌管内がエリアで会員数は380を超す。

 北海道宅地建物取引業協会旭川支部長の熊野博幸さん(65)が、国土交通省の建設事業関係功労者として大臣表彰を受けた。土地や建物の正確な物件情報を、いち早く消費者に届けてきた取り組みが評価された。受賞の喜びとともに、不動産取引から見た道北の経済について聞いた。(聞き手・旭川報道部 佐藤洋樹、写真・舘山国敏)

 ――大臣表彰おめでとうございます。

 「私は16代目の支部長で就任して3年目。さして業績があるわけでなく、諸先輩がやってきたことへの評価だと思っています」

 ――支部の取り組みは先進的です。

 「旭川支部は1988年、全道の各支部に先駆けて月刊の不動産情報誌を創刊しました。その後私は、高校の情報処理科でコンピューターを勉強した経験を生かし、物件情報をインターネットで発信できないかと支部の仲間4人で勉強会をつくりました。ウィンドウズ95が爆発的に売れ、中古車販売が情報誌からネットに移行し始めた時代。『不動産取引も将来はネットが主流』と、勉強会を支部の研究会へと発展させ、2000年ごろ『旭川不動産情報』というシステムを構築しました。今は別会社によって運営されています」

 ――評判がいい。

 「不動産業者にすれば、情報が即時更新される点が受けています。旭川近郊を含めた情報量が他の媒体と比べ圧倒的に多い。一つの物件につき写真を30枚載せられるので、建物の間取りや外観はもちろん、公園が近くにあるのかなど周囲の生活情報も詳しく伝えることができる。成約率が高いと評価され、このシステムを使いたいと宅建協会の会員になる人もいます」

 ――今年で24回目の市民向けの歩くイベント『たくけんウォーク』も独自の事業です。

 「仲間うちでウオーキングやサイクリングなど趣味の同好会をつくったのがきっかけでした。車社会で健康は足腰から衰えます。石狩川の清流と雄大な大雪山系を眺めながら、住環境として優れ、風光明媚(めいび)なこの地域を再認識してほしいと続けてきました」

 ――不動産取引の現状は。

 「人口が増えない限りは資産価値も下がり、全体の動きは正直鈍い。でも可能性はある。一つは空き家対策です。再利用できる物件なのか、解体して更地にした方が土地の価値が上がるのかを私たちのマンパワーで調べ、情報を行政や物件の所有者に提供したい。もう一つ注目しているのが、公共交通としてのJR。永山駅や新旭川駅、東旭川駅の近くに新たに住み、旭川駅まで鉄道を利用して買い物に来る人が結構いる。鉄路が交わる旭川は物流の中心地として栄えてきました。物流がトラックに代わられても、旭川空港と鉄路の結びつきを充実させ、観光客など人の流れの拠点として旭川経済が活性化する道はあると思います」


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