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なかの・たくと 1995年12月、札幌市生まれ。高校卒業後、2015年4月から3年間、中頓別町地域おこし協力隊員として観光振興などの業務を行った。18年4月に老舗菓子店を引き継ぎ「中野商店」(町中頓別28の11)を開業した。営業時間は午前10時~午後7時。日曜定休。問い合わせは同店(電)01634・6・1065へ。
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中頓別町地域おこし協力隊員を経て、町内の老舗菓子店を継承し、今春、菓子店「中野商店」を開業した。後継者不足に悩む地元商店街では久しぶりの明るい話題とあって、初日から大勢の客が押し寄せ商品は完売。3営業日目から臨時休業を余儀なくされる人気ぶりとなった。開業から1カ月が過ぎ、オーナー兼菓子職人の中野巧都さん(22)に店の現状や今後の展開などについて聞いた。(聞き手・加藤志保美通信員、写真も)
――4月6日のオープン時には商品が完売する盛況でした。 「町内外から大勢のお客さんに来ていただいてとてもうれしかったです。町民の皆さんが口コミで広めてくれたのが大きい。ただ、菓子の材料を切らし、営業再開の23日まで臨時休業する事態になったのは、見通しが甘く準備不足だったことが原因です。遠方から来ていただいたお客さんもいたのに大変迷惑をかけてしまいました。ゴールデンウイーク期間中も忙しかったのですが、現在は客数も落ち着いてきています」 ――地域おこし協力隊員から商店開業のきっかけは。 「協力隊員時代に地場産のなかとん牛乳を使ったチーズの試作などに携わっていて、特産品をもっと発信したいとの思いを抱いていました。今年3月末の協力隊員の任期終了後は商売を自分でやりたいと考えていたところ、昨年5月、町内で70年以上続く『とらや菓子店』が店をたたむことになり、オーナーの三浦陽一さんが店舗を継いでくれる人を探していると聞き、名乗りを上げました。隊員時代には多くの住民の方に大変お世話になり、その温かさに触れていたことや町出身で昨年11月に結婚した妻の未琴(22)が、古里に愛着を持っていたこともまちに残った大きな理由です」 ――菓子づくりは初体験だったそうですが。 「昨年6月下旬から、とらや閉店の9月末まで、三浦さんについて修業しました。菓子作りは失敗の連続でした。スポンジケーキを作ろうとして卵を湯煎にかけて他の作業をしていたら、全部目玉焼きにしてしまったり、紅白まんじゅうはめでたい席のものだから、皮を傷つけてはいけないのに、コツがわからず山になるほど駄目にしてしまいました。それでも3カ月後には、『砂金ようかん』などのとらやの菓子は味も形も再現できるようになりました。店には、生クリームが入った生どら焼きなどの独自の商品も並べており、生どら焼きは一番人気の商品です。でも実は甘いものが得意ではないので、新商品開発では、従業員に一緒に味見してもらって味を決めています」 ――これからの展開は。 「夏までにカフェスペースを設けたい。町内には住民が集まれる場所が少ないので、育児中の母親や若者らが気軽に立ち寄って交流できる場になればよいと思います。そこで私もお客さんと語り合いながらその意見を新商品開発や店づくりに生かしていきたい。また、地場産食材を使うなどしてふるさと納税の返礼品に選ばれるような特産品を開発したいです。もう少し余裕ができたら、パートなどを雇い、地域活性化にも貢献したいと考えています」
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