|
おおどめ・よしゆき 1969年、士別市生まれ。士別中3年からウエイトリフティングを始め、士別高(現士別翔雲高)卒業後、市役所入り。86年の全国高校選抜大会60キロ級、93年の全日本選手権大会75キロ級でそれぞれ5位に入った。国体出場回数は13回。2015年4月から北海道ウエイトリフティング協会理事長
|
2020年東京五輪・パラリンピックで台湾のホストタウンに指定されている士別市には本年度、台湾からウエイトリフティングの4チームが合宿に訪れた。ウエイトリフティングが盛んな士別市で長年、地元少年団の指導に携わる北海道ウエイトリフティング協会理事長で、4月から日本ウエイトリフティング協会(東京)に出向する市職員の大留義幸さん(48)に競技への思いを聞いた。(聞き手・士別支局 山村麻衣子、写真も) ――今も現役選手として活躍しているそうですね。 「全日本社会人選手権大会には30年連続で出場していますが、今は、地元少年団での指導に重点を置いています。ウエイトリフティングは瞬発力が必要で最盛期は20代と言われています。30歳を過ぎてからは、『少しでも若手選手の参考になれば』と、さまざまな練習法を試し、35歳の時に道社会人選手権大会85キロ級で自分の最高記録275キロ(合計)で優勝できました。自分の練習法が正しかったことを証明でき、指導の自信にもなっています」 ――士別ウエイトリフティング少年団では中学生を指導しています。 「今月開かれた全日本ジュニア選手権大会で、日本中学記録を更新した女子選手は、30年の競技者経験の中で最も才能を感じる逸材です。2人の男子選手も有望株。市総合体育館で週4日練習していますが、地元の高校生や社会人も来るので、年代の異なる選手たちが互いに刺激し合い、成長することができます」 ――台湾選手との交流をどう思いますか。 「市役所では担当が違うため、台湾からの合宿誘致事業には士別ウエイトリフティング協会員として関わっています。台湾はウエイトリフティングに非常に力を入れています。昨年8月、合宿で訪れた国立台湾師範大ウエイトリフティング部の監督からは、フォームも大事だが、それ以上に、へその下にある丹田に力を込め、踏ん張り、一気にバーベルを持ち上げる力の伝え方が大事だと教えられました。何より台湾の強豪選手を間近に見ることで、地元選手たちの意識は確実に向上しています」 ――東京勤務の抱負は。 「主に事務の仕事をする予定で、日本のトップ選手を下支えすることになります。少しでも士別の選手たちに還元できることがあれば、と思っています。ウエイトリフティングはマイナー競技で、盛り上げるには強い地元選手が必要ですが、北海道では競技者が少ないことに加え、指導者不足も課題です。しばらく士別を離れますが、選手たちがいずれは目指したいと思えるような指導者になるための勉強を続けていくつもりです」
|