北海道新聞旭川支社
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ヒューマン

松沢弥子さん(18)*女子カーリングチーム「名寄ジュニアクラブ」*日本ジュニアで初優勝*いつか五輪金メダルを  2018/01/14
まつざわ・やこ
1999年、名寄市生まれ。2016年2月に冬季ユース五輪の混合ダブルスに出場し、スイスの男子選手と組んで金メダルを獲得した。同年に文部科学大臣表彰、北海道スポーツ賞など多くの表彰を受けている。

 名寄市の女子カーリングチーム「名寄ジュニアクラブ」が昨年11月の日本ジュニア選手権(札幌)で初優勝を果たした。チームをけん引したのは、司令塔のスキップを務めた松沢弥子さん(18)=名寄高3年=。2016年の冬季ユース五輪(ノルウェー)の混合ダブルスで金メダルを獲得するなど関係者の期待を集める。これまでの競技生活と今後の抱負を聞いた。(聞き手・名寄支局 成川謙、写真も)

 ――カーリングを始めたきっかけと、魅力は。

 「幼い頃から名寄で選手として活動する父(市職員)を見て憧れを抱き、小学4年でチームに入りました。カーリングは4人が一体となり点を取りにいくスポーツ。一人でも調子が悪ければ勝てない。バレエや陸上も経験しましたが、個人よりも団体競技に魅力を感じます。今季のチーム5人は中学1年から大学1年までと年の差があり、普段からコミュニケーションを取ることを大事にしました」

 ――日本選手権初優勝をどう思いますか。

 「一番の目標だったので本当にうれしいです。日本選手権には中学3年で出場して以来、4、5、3位と3年連続で悔しい思いをしてきました。まさか9戦全勝で優勝できるとは思いませんでしたが、挑戦者のつもりで一戦一戦に集中できたことが大きいです」

 ――高校在学中はユース五輪はじめ数々の大会で活躍しました。

 「ジュニアのトップ選手が集まる舞台を経験し、いろんな競技の選手と交流でき、刺激になりました。今後のカーリング人生を送る上で、大事な3年間だったと確信しています。16年夏に開かれた『カーリング・オブ・ザ・イヤー』(道カーリング協会)の奨励賞授賞式で、憧れの吉田知那美選手(LS北見)に『すごいね』と声を掛けてもらった時は夢のようでした」

 ――注目されることで重圧は感じませんか。

 「ユース五輪が終わった後は『自分がやらなきゃいけない』と強く感じすぎて悩んだ時期もありましたが、友人や家族、チームメートが特別扱いせずに普段通りに接してくれました。充実した環境でカーリングができる名寄だからこそ、今の自分がある。活躍することで、大好きな地元に恩返していきたいと思います」

 ――将来の夢は。

 「22年の北京冬季五輪に日本代表として出場したいです。11個ある目標のうち、まだ全道と全国優勝の二つしか達成できていません。精神的にも技術的にも、まだまだこれから。私のプレーを見て、カーリングをやりたいと思い、夢を持ってもらえるような選手になりたい。今後、どこでプレーするかは分かりませんが、いつか五輪の金メダルを名寄に持ち帰ります」


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