北海道新聞旭川支社
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ヒューマン

梅沢さやかさん(39)*「Cafeぺこぺこ」責任者*地域食堂開設の先駆け*食事で世代間交流育む 2017/10/08
うめざわ・さやかさん
1978年、北見市出身。名寄短期大学卒業後、99年から鷹栖町役場で管理栄養士として勤務し、2013年3月に退職。夫と2男1女の5人暮らし。「ぺこぺこ」は、飼い犬の名前から。カフェの問い合わせは社会福祉法人さつき会(電)0166・76・5037へ

 旭川のベッドタウン、鷹栖町北野地区。サービス付き高齢者住宅「ぬくもりの家たかほ」(町北野東3の1)の地域交流スペースに、町内の主婦らが相次いで地域食堂を開いている。その先駆けとなったのは今年6月から始まった「Cafeぺこぺこ」。町内産の野菜が並ぶ定食を囲み、客同士の会話が弾む。カフェを開設した梅沢さやかさん(39)に活動にかける思いを聞いた。(聞き手・旭川報道部 河田俊樹)

 ――「ぺこぺこ」の活動について教えてください。

 「地域食堂は、食事を通じて世代間交流を生み、地域住民と触れ合う場所。子ども連れからお年寄りまで誰でも来ることができます。『ぺこぺこ』は毎週木曜日の午前11時半から午後1時半まで開き、私の母とスタッフを含め4人で運営しています。30食限定ですが、1食500円で週替わりのメニューで定食を提供しています。自家製ケーキもあります。妊婦さんや育児中のママ友会に利用される機会も増えています。町民有志による月1回の『おばちゃん食堂』や、11月からは農協婦人部の皆さんによる期間限定の食堂が開かれる予定で、私たちの活動が町内に波及しています」

 ――始めたきっかけは。

 「鷹栖町役場に勤務していた時、1人暮らしの高齢者から『ご飯は1人で食べてもおいしくない』と聞く機会が多かったのです。離れて暮らす私の祖父母も『毎日同じようなものを食べている』と漏らしていました。役場主催で60代以上の男性高齢者に料理教室を開いていたのですが、参加する人はもともと活動的。本当に交流を必要とする人は、あまり外に出ないのが実情です。そうした人に外出を促し、接点を持つにはどうしたらいいかを考えたのが発端です。そんな時に、町社会福祉協議会で働く夫を通じて『たかほ』を運営する社会福祉法人から声が掛かりました。ちょうど法人でも地域食堂の開催を考えていたのです」

 ――さまざまな世代の人が楽しそうに会話している姿が印象的です。

 「夏休みにはお孫さんと一緒に来られた女性とその友人が、楽しそうに食事されていました。世代を超えて交流の輪が広がっているのはうれしい。1人で本を読みながら、ゆったりと過ごす人もいらっしゃいます。ご飯は町産のななつぼし。料理に使うレタスやイチゴなどの青果物のほとんどは私の父親が畑で育てたものです。500円で赤字を出さずに新鮮な材料を使った料理を提供する上で周囲の人の協力は欠かせません。最近はカボチャなど野菜を提供してくださる人もいます。地域食堂を支えてもらい、感謝しています」

 ――今後、どのよう活動を。

 「毎週のメニューを考案するのが一番大変ですが、今後は寒くなるため、冷たいサラダを温野菜に変えるなど工夫を重ねます。冬になると道路環境も悪くなり、出歩くことを控えがちになります。食堂を訪れる人の利便性を高めるために、行政と協力しながら交通手段の確保などを検討していこうと思います」


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