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うめはら・きよみ 1966年、美瑛町生まれ。転勤族だった父親とともに枝幸や苫前、南富良野などに住み、90年から羽幌に定住。夫は羽幌高の同級生。2人の息子を育てる中で絵本の楽しさを知り、40歳のとき「あざらしおはなし会」に入会。2012年から会長。
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羽幌町の絵本読み聞かせサークル「あざらしおはなし会」が、本年度の優良読書グループ全国表彰(公益社団法人読書推進運動協議会主催)に選ばれた。主婦らによる地道なボランティア活動は、今年で28年目。これまでの歩みと今後の取り組みについて、会長の梅原清美さん(50)に聞いた。(聞き手・羽幌支局 長谷川賢、写真も) ――道内唯一の全国表彰です。 「評価されれば励みになりますが、何も特別なことをしているわけではありません。会員は30代から70代まで、私を含め現在7人います。転勤族も多い。なぜか地元の人より積極的です。個性的で元気いっぱいの会員が活動を支えてくれています。私は会長という名札を下げているだけで、日程を調整したり連絡を回したりする“雑用係”です」 ――会の名前、どうしてあざらしなのですか。 「私は入会して10年なので発足当初のことは知らないのですが、当時のことを知っている会員に聞くと、羽幌近辺ではアザラシは身近な動物で、アザラシの子はとても元気があって愛嬌(あいきょう)もある。それで会の名前にしたそうです」 ――主な活動を教えてください。 「例会は毎週木曜日、紙芝居作りやエプロンシアターの仕込みなどの準備作業をしています。おはなし会は第2土曜日、町中央公民館図書室で開いています。冬は幼稚園や保育園に出向いての出前おはなし会もやっています。このほか、羽幌小の朝読書に参加して本を紹介したり、乳幼児健診のブックスタート事業にも協力しています」 ――高齢者施設も訪問していますね。 「認知症のお年寄りがいるグループホームでは、童謡を歌ったり、手遊びをしたりしています。とても喜ばれます。絵本も子供のころを思い出してわくわくするのかもしれません」 ――読み聞かせの魅力とは。 「反応を見るのが楽しいですね。ああ、そこで笑うのか、と。たとえば、怖がらせる場面で声の調子を変えたりします。子供たちはいろんなリアクションをしてくれます。思っていたのとは違う反応があったときは特に面白い」 ――今後の取り組み、課題は。 「あと3年で30周年。何かできると良いのですが。まずは会員を増やしたいですね。今の倍、十数人いれば活動の幅が広がります。おはなし会を月2回に増やすこともできます。興味のある方はぜひ声をかけてください」 ――副賞の図書券2万円分、どう使いますか。 「全部、本の購入資金になると思います。大型の絵本や紙芝居はとても高価なので助かります。大事に使わせていただきます」
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