北海道新聞旭川支社
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ヒューマン

菅原一宣さん(61)*旭川市総合体育館のトレーニング相談員*五輪選手を指導した経験も*筋肉鍛え能力引き出す  2016/10/02
すがわら・かずのり
1955年、旭川市生まれ。大学を卒業後、会社員を経て旭川市内にトレーニングジムを開設。独学でスポーツ選手らの筋力アップを指導する。3種目で競うパワーリフティングの大会にも出場。自己ベストはスクワット240キロ、ベンチプレス160キロ、デッドリフト260キロ。90年代からは五輪選手の個人指導員も務め、竹内智香選手以外にも長野冬季五輪(98年)に出場したスノーボードの上島しのぶ選手も指導した。

 旭川市総合体育館のトレーニング相談員の菅原一宣さん(61)は週3回、高校生から高齢者まで幅広い世代に、器具を使って筋力を向上させる訓練などをアドバイスしている。ソチ冬季五輪のスノーボード銀メダリストの竹内智香選手(旭川市出身)らを指導した経験を持ち、現在は北海道パワーリフティング協会事務局長でもある菅原さんに、筋力を付ける楽しさや競技の魅力などを聞いた。(聞き手・旭川報道部 渡辺拓也、写真も)

 ――そもそも筋力トレーニングやパワーリフティングを始めたきっかけは

 「もともと体を鍛えることに関心がありました。旭川市内の高校を卒業後、札幌商科大(現札幌学院大)に進学した18歳の時、ボディービルのクラブと出合い、ここならしっかり鍛えられると考えて仲間に加わりました。全身の筋肉を鍛え肉体美を競うボディービルでは、バーベルを持ち上げる筋トレを繰り返す毎日。パワーリフティングの大会にも参加するようになり、以後、約40年間この競技と向き合い続ける生活です」

 ――社会人になって市内でジムを開きました

 「大学卒業後、旭川市内の建築資材会社に就職し約7年間働いた後、独立して市内に本格的なトレーニングジムを開設しました。開設に不安はありませんでしたが、経営をどう維持していくかは頭を悩まされました。幸いなことに当時はダイエットブームのおかげで、減量目的の主婦らが多数通ってくれました。自分のパワーリフティングのトレーニングも継続し、全道大会では1981年から10年以上連続で優勝する力をつけました」

 ――パワーリフティングの魅力は

 「私の緊張しやすい性格が、この競技に向いているようです。何度も大会に出ているうちに、自分は緊張状態の方が力を発揮できることに気づき、自分に合っているなと思うようになりました。加えてこの競技は練習で成功しても、本番で力を出せないことが多々あります。バーベルを持ち上げる位置が少し違うだけで、失敗することも。そこに面白さを感じていますね」

 ――トレーニングの指導や相談で、どんなことを気を付けていますか

 「必ず心がけているのが、最初から自分の指導方法を押しつけないこと。まずは相手の能力や特長を把握した上で、効率的な筋力アップにつながるトレーニング方法を教えています」

 ――いろんな方から相談を受けますね

 「つい最近は、脚に障害があり、陸上の投てきでパラリンピック出場を考えている羽幌在住の方からの相談を受けました。私もひざをけがした時に上半身を鍛えた経験があり、実体験を基にアドバイスしています。4年後の東京パラリンピックでは、ぜひメダルをつかんでほしいと願っています」


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