北海道新聞旭川支社
Hokkaido shimbun press Asahikawa branch

ヒューマン

林正憲さん(53)*枝幸高校長*「土曜塾」などで地域と交流*学校運営にマチの思いを    2016/06/19
はやし・まさのり
1963年、伊達市生まれ。札幌東高から北大、慶大大学院に進み哲学を学ぶ。1989年に高校社会科教諭となり、常呂高、札幌東高で教えた。札幌南高副校長を経て2015年から現職。今夏の北オホーツク100キロマラソン(50キロの部)、北海道マラソンに出場する予定。

 昨年4月に枝幸高に着任した林正憲校長(53)。中学生対象の「土曜塾」を同校で開催したり、地域のブランドを掘り起こす町民有志のワークショップに参加したりと、フットワークも軽く、校内外で積極的に活動している。取り組みの狙いなどを聞いた。(聞き手・枝幸支局 立木大造、写真も)

 ――高校の枠にとらわれず活動していますね。

 「枝幸高は道立ですが、町内中学3校の卒業生のうち、7割が入学するマチの学校です。町の支援も受けており、校長として町の人たちと一緒に何かできないかと考えています。町内の会合であいさつだけして帰るのではなく、本音で語り合うことで高校への要望なども分かります」

 ――中学校に呼び掛けて昨秋に実施した土曜塾では、林校長と教頭による「ワンポイントレッスン」もありました。

 「中学生の学習習慣の定着に役立てばとの思いで自習を基本として企画しました。全5回、参加生徒は平均5人ぐらいと少なかったですが、枝幸高の姿勢を示す上でやって良かった思いました。合間に中学生に勉強を教えていた枝幸高生の成長ぶりも見て取れました。今年も開催するつもりです」

 ――自校の学力向上にも力を入れています。

 「5月下旬の土曜、日曜日に、校長特別企画『2日間15時間学習マラソン』と銘打って学校を自習用に開放しました。生徒の意志で長時間勉強し、学習方法や学ぶ力を身につけてほしいとの思いからです。約30人が来ました。翌日『学校と自宅で計15時間以上勉強した生徒は校長室に来て』と呼び掛けたら7人が来てくれました。みんな良い表情でしたね。夏休みは中学生にも参加を呼び掛けて、5日間45時間学習マラソンをやってみたい」

 ――ワークショップで、町内で30年間踊られていない枝幸小唄と歌登地区の歌登音頭を学校祭で披露することを提案しました。

 「旧枝幸町、旧歌登町の合併10年の節目にちなみ、高校で生徒の主体的な取り組みができればと。ただ、生徒は部活や勉強もあるので、無理なくできることが条件。生徒会役員に相談してみたところ、役場前で行うクラス発表の後、全員で踊ることになりました」

 ――今後、取り組んでみたいことはありますか。

 「一番は学力の底上げですね。そのためには小中高の連携が大事です。まず、中高の先生同士で、どのように授業を進めているのかなどについて、意見交換をしてみたい。いずれ異動は避けられませんが、枝幸高が町民と一緒にさまざまなことに取り組む姿勢や考え方を残していきたいと思っています」


戻る