わが家は山奥の一軒家。上下水道は通っておらず、沢から湧き水を引いて使用している。この夏、その水が出なくなった。見れば自宅用の貯水槽は空だし、畜舎にも水が来ていない。水源地が枯渇したのではと焦ったが、沢に行ってみると上流からは絶え間なく潤沢な水が流れてきている。 沢の奥深く、道なき道を登ってたどり着いた水源地も異常なし。ならばと、水路の途中のパイプのつなぎ部分を外してみたところ、水が出ない。間もなくゴボゴボと音がした後、勢いよく水が流れた。パイプを元に戻して帰宅すると、自宅そばの貯水槽に水が流れてきた。だが、数日してまた水が出なくなった。 水源地に設置したタンクがさびか何かで真空状態になっているせいではと思い、必要な部品や工具を背負って水源地に行き、貯水タンクに通気孔を取り付けた。素人ながら予想はドンピシャだったらしく、無事にわが家の水道は復旧した。 水が出ない間は大変だった。飲み水はコンビニで買ったが、問題は生活用水。特にトイレは大量の水が要る。仕方ないので池の水をくんできて流した。くみ取り式の時には無かった苦労だ。生活用水が途切れただけで不便な時代よりさらに不便になるとはなんという皮肉か。昨年の停電に続き、ライフラインのありがたみを再確認した次第である。
|