2005年4月、医療支援相談室という部署が病院3階に開設されました。もともと医療費の相談などを担当する事務職と、在宅医療を支援する看護職が合体して発足しました。この部署の主な仕事はリスクマネジメントで、病院に対する苦情から医療事故までを処理しています。 開設以前は、病院への不満の一部は市役所や市議会議員などに直接訴えられて、病院に持ち込まれましたが、多くの行き場を失った不満は街に垂れ流しになっていました。この部署が出来てから最も多い業務が苦情処理です。個別の問題に関しては担当職員が苦情を傾聴し、客観的に精査を進めることで多くは解決可能でした。意外に誤解による不満も多いこともわかりました。 一方で、この部署が出来たことにより、病院に対する住民の不満がはっきり見えてきました。その中で圧倒的に多かったのが外来の待ち時間の長さです。外来患者数に比べて医師数が圧倒的に少ない現状を説明すると多くの方は理解を示してくれました。 持ち込まれるさまざまな苦情を通して、住民がこの地域の医療や市立病院の置かれた状況を全く知らないことにも気付かされました。「宗谷の医療」と題した講演会や稚内広報への掲載を通して、市民啓蒙を始めるきっかけにもなりました。
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