「みのる稲穂に富士と鳩(はと)」と始まる日本学校農業クラブ連盟(FFJ)の歌がNHKの朝ドラで流れた。懐かしさがこみ上げ、私も一緒に歌った。この歌は農業高校に籍を置いた者なら、みな知っている。そこには「農業クラブ」という生徒会と双璧をなす組織があり、行事のたびにこの歌を歌ったものです。 私が高校生だったのは遠い昔の話ですが、今でも歌詞がすらすらと口をついて出てきます。同級生の夫も声を合わせて歌います。それをあきれた顔で「よく覚えているね」と言う息子も同じ高校の同窓生です。 母校は旭川農業高。あと数年で創立100周年を迎えます。思えば私は50周年の年に在学していたのでした。 私たちの学年は昨年、還暦を記念して同期会を催しました。卒業以来、初めて会う人もいて、そんなはずはないのに「全然変わってないね」と言い合って、昔の呼び名で語るうちに、本当にあの頃に戻る魔法にかかり、くすぐったいような心地よい時間を過ごしました。 朝ドラのナレーション風に、現役の高校生に伝えます。 ああ若者よ、農業高校の授業は命の授業だ、これからの人生の礎になる。友情を育め、それが一生の宝になる。自信を持って胸を張り、未来へと進めよ。
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