北海道新聞旭川支社
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北極星

谷龍嗣(留萌・僧侶)*「我逢人」 2019/07/08

 7月7日は七夕祭りでした。1年に1度、ひこ星と織り姫が天の川で出逢(あ)う日。しかし、1年に1度は少ないですが、私たちの出会いも、一期一会。その場、その時の出逢いが自分を深めていると言っても過言ではありません。

 禅の言葉に「我逢人(がほうじん)」という言葉があります。大切な人と出逢う。その出逢いを大切にして生かすという意味です。

 私は、今から18年前に横浜市鶴見区にある大本山總持寺というお寺に修行に行きました。増毛町の実家を出る前夜、不安だった私に「たくさんの人に出逢ってきなさい。たくさんの経験をしてきなさい。出逢いは命だよ」とおばあちゃんが声をかけてくれました。

 今、その出逢いを生かしているのだろうかと自問自答の毎日ですが、これだけは自分の中で決めています。「やらないで後悔するより、やって後悔する」「やる前に3度考える」。これは、私が困った時の道標です。優柔不断で短気な私に生前、祖父が言ってくれた言葉です。

 やっぱり、人は、頭で考えているだけでは、何も前に進めない。でも、進む前によく考える。5年前、私はだめもとでプロポーズしました。どうにか奥さんと出逢えました。出逢いは命を深めます。7月7日、皆さまにすてきな出逢いがあった1日でありましたように。


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