北海道新聞旭川支社
Hokkaido shimbun press Asahikawa branch

北極星

桑原隆太郎(名寄・文化団体事務局長)*同期会二つ 2019/06/24

 近々、中学時代の同期会と教員時代の教え子の同期会に相次いで出席する。「叶(かな)うものなら、もう一度あのときに戻りたい」と思う「あのとき」がある。中学時代と教員時代がそうだ。

 中学時代は勉強と部活を一生懸命やることで生きることに迷いがなかった。受験勉強に縛られた高校時代とは大違いだ。団塊世代の僕らの学年は45人学級が5クラスあり、200人を超す大所帯だったが、まとまりのある、元気のいい学年だった。だから卒業後も「風中(風連中)18期生同期会」を重ねてきた。老い先が短くなった今は2年おきに各地持ち回りで開催する気の入れようだ。毎回、40人近く集まって盛り上がる。

 もう一つの教員時代は、豊富町の高校で新卒5年間を過ごしたあと離職した。その短い期間に唯一、担任を務め上げて卒業に立ち会ったのが、僕とは8歳違いの、自慢の教え子たちだ。離職後も毎回、同期会に招かれ、あの地、あの時に共有した1回限りの3年間に培った絆をずっと手放さずにきた。

 そして今回の同期会を迎える。すでに還暦を過ぎた彼らが、僕の古希祝いを兼ねて企画してくれたのだから、こんなうれしいことはない。

 かけがえのない「あのとき」をよみがえらせてくれる二つの同期会。令和元年、70歳の誕生月に出席できる巡り合わせに感謝だ。人生再スタートの気分でもある。


戻る