「旅そのものが報酬だ」。これは、アイフォーンを作ったスティーブ・ジョブズの言葉です。目的地も大事だが、旅そのものが報酬ということです。実は、この言葉の源には、彼がアメリカで出会い、信じた「禅」の教えがありました。 彼はアメリカの禅センターで乙川弘文という新潟出身の曹洞宗僧侶と出会い、禅を学びました。ジョブズが世に出した商品の多くに、禅の教えが生きていると言われています。 冒頭の言葉と同じ意味の禅語があります。「修証一等」です。目的地に向かって一歩踏み出したその瞬間が、もう既に悟りの境地にあるという意味です。 しかし禅やジョブズの考えは特別なのではなく、先日、同じような人に出会いました。留萌市内に住む91歳の男性です。「プランターでイチゴを作っては幼稚園に持って行くんだ。子供たちがその果物を食べるのをニコニコしながら見てるんだわ。その笑顔が本当にうれしくて、子供たちの笑顔から自然と元気もらってるんだわ」と言うのです。 無償の心で相手と接すると、自然と相手からのプレゼントをもらえるのでしょう。「本当の幸せは、得るものではなく感じるもの」ですね。私たちは人生という幸せを追いかけているうちが、人生の幸せの真っただ中にいるのかもしれません。
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