ここ1カ月ほどの間に3人から「痩せたんじゃないの」と声をかけられた。当方の健康状態を気遣ってのことだから、その都度「体重管理をしてますから」と快活に返答してみせた。 僕にとって痩せることは悪いことではない。身長173センチ、体重64キロだが、油断すると、すぐに2、3キロは太ってしまう。下腹に肉がつき、トイレや浴室などでかがみ姿勢をとる際に、てきめんに不都合を覚える。その違和感が嫌だ。 食が太い方ではないものの、間食や晩酌を止められないから、その分、運動が欠かせない。毎朝のラジオ体操、1日100回の腹筋、30回の腕立て伏せとダンベル、週3回の卓球練習を課し、しょっちゅう手抜きしながらも数年来続けている。 運動といえば、時々通う市スポーツセンタ―トレーニング室で高齢の市民が黙々と汗を流しているのを見かける。自身を元気づけようと体を鍛える姿に、「若者よ 体を鍛えておけ」という歌を思い出した。「美しい心が逞(たくま)しい体にからくも支えられる日がいつかは来る」というのだ。人の心は弱いから、逞しい体がそれを支えてくれる。若者に限った話ではない。 僕はといえば、日々の体重管理に気をつけ、加齢による衰えに向き合って、わが身を鍛え続ける―。これが有益かつ有効な生きる術なのだと思うようになった。
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