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北極星

奥野真人(焼尻・ゲストハウス経営)*「福の神」の本領? 2019/02/11

 妻はときどき「福の神」と言われる。新婚に対するリップサービスだろうと受け流していたが、友人のみならず宿のお客さんや初対面の自称「霊感が強い」人にまで言われたので、少し気になっていた。

 話は変わって僕の出身地・兵庫県の西宮神社は、日本に約3500社ある「えびす神社」の総本社として名高い。商売の神様にあやかり、帰省中の年始は毎年ここを訪れている。今年は初めて夫婦で訪れた。

 午前2時。さすが元日、前も後ろも人、人、人。「これだけの人数が焼尻島に来てくれたら…」なんて考えつつ参拝を済ませ、100円のおみくじを引いた。僕の半吉はさておき、妻はなんと大吉。商売=利がある。願い事=かなう。万事思いどおりになるでしょう…と良いことずくめだ。

 「良かったやん」と言う僕を尻目に、妻は「あのおみくじも引きたい」と言い出した。見てみると魚のタイのマスコットがおみくじを抱えた「たいみくじ」というものがあった。値段は300円。「せっかく大吉が出たんだから良いイメージで止めたほうが…」と僕は忠告するが、妻は無視してそれを買った。なんとまた大吉。100円のおみくじと全く同じ内容が書いてあった。これが「福の神」の本領なのか。得意満面な妻。今年は存分に福を分けてもらおうかな。


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