北海道新聞旭川支社
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北極星

柴田えみ子(旭川・尊厳死協会道支部理事)*すてきな仲間 2018/10/07

 絵手紙サークルの仲間と一緒に、旭川市内で開かれた美術展を訪れた後の食事会でのこと。「この前のお店もおいしかったけれど、ここもいいわね」と1人が言いました。続けて皆が「あの時のオムライスは本当においしかった」と相づちを打ちました。

 もともと記憶力に乏しい私は店の場所を説明されても何も頭に浮かんでこず、ただ首をひねるばかり。思わず「そこに私はいた?」と尋ねてしまいました。

 そんな私を見かねたのか、「いつも忙しすぎるんだから、しょうがないよ」との声。あきれ顔をされると思っていたが、何とも優しい言葉が返ってきました。さらに「気にしない、気にしない。みんな年とともに忘れっぽくなるしね」と慰めの言葉も。

 つい調子に乗って「みんなも忘れっぽさで私を追い越してね」と返してしまい、笑い合いました。何にでも興味を持ち、さまざまなグループや団体に入会するのですが、講演や会議で忙しく、参加できないこともしばしば。いつの間にか除名になっていることもあります。

 今回のサークルも数カ月ぶりの参加でした。「こんにちは」の声も小さくなりますが、返ってきたのはみんなのはじけるような笑顔、笑顔―。すてきな仲間に巡り会えて、心から感謝しています。


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