その場でジャンプ!すると、ゆらゆらと地面が波打ち、周囲に振動が広がる…。ここはかつての泥炭採掘跡地。サロベツ湿原センターでは今年も「バックヤードツアー」を開催している。バックヤードツアーと言えば、博物館や動物園などが施設の裏側を見せるのが一般的だが、同センターの場合、普段は立ち入ることができない調査用木道を案内するちょっと珍しい内容になっている。 現在、同センターが建つ場所には1970年から2002年までの32年間、湿原を掘って土壌改良材を生産する工場があったことはほとんど知られていない。 150ヘクタールに及んだ採掘により広大な水面や裸地が残された。その採掘跡地を本来の湿原に近い状態に戻そうと行われているのが環境省の自然再生事業だ。ツアーではこうした人と湿原の歴史的な関わりをたどり、自然再生の現場を訪ねる。 小難しいイメージを受けるかもしれないが、ネイチャーガイドが案内するので湿原の魅力も十分に味わえる。細い木道を歩いて湿原の奥の奥まで行けるワクワク感。見事なミズゴケ群落とかれんな花々。さらに採掘跡地の裸地では特別に木道から降りて、湿原の再生作業を体験できるおまけ付き。定員は毎回10人。10月末まで毎週開催しているので、ぜひ多くの方に参加していただきたい。
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