小学5年の息子は習い始めて2年半になるスポーツクライミングに夢中だ。 人工の壁に取り付けられたホールドという突起に手をかけ、足をのせて壁の上部に設定されたゴールを目指す。 高いところへ手足だけで登る行為は本能的な喜びなのかもしれないと思う。習い事の送迎をするうちに私も機会があれば一緒に登るようになった。ゴールに到達して感じたのは、木によじ登って景色を見渡した爽快感と同じだった。 習い始めた当初、筋力で勝負するマッチョなスポーツなのかと思っていたが、そうではないことを息子も私も次第に理解していった。 すぐに握力を失う手は基本的にホールドにひっかけるだけ。力があって疲れにくい足の筋肉と、体全体のバランスやしなやかさで高みへ登っていく。 スポーツクライミングを知ってから、森で急斜面に出くわした時の私の体の使い方も変わった。木に手をかけてやたらと引っ張って登るだけでなく、場合によっては木を横から押してみる。すると足にぐっと体重が乗ってくるので、足で体を押し上げてやるというふうに。ちょっとした発想の違いや体重のかけ方で、登り方の選択肢が増えたことは新鮮だった。 占冠村や旭川市に体験できる壁がある。富良野市にもできるといいな。
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