北海道新聞旭川支社
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北極星

 有村幸盛(旭川・文化団体事務局長)*自然と歴史と人の調和  2018/07/01

 最近、とても印象に残った映画を2本見ました。

 ひとつはいま上映中の「羊と鋼の森」です。若手ピアノ調律師の成長物語で、原作は2016年の本屋大賞に選ばれた宮下奈都さんの同名小説。映画は期待にたがわず素晴らしく、旭川と近郊の自然、四季の変化や歴史的建物が魅力的に表現されていました。出演者の演技も物語にピッタリで、見ていてとても心地よくなりました。

 もうひとつは旭川市内の喫茶店で上映された「BRIDGE」。長崎の出島に架けられた橋についてのドキュメンタリー映画で、市民と行政、設計者、施工会社が議論を重ねて橋を完成させるまでの過程が描かれていました。映画が良かったのに加え、その後の感想トークの時間も実り多いものになりました。

 ほとんど初対面の人たち同士でしたが、映画の感想のほか、市内の橋や買物公園のこと、新庁舎建設計画の問題、さらにはマチの未来へと話は広がりました。中でも「未来を考える時は子供を基準に考え、要らないものをそぎ落としてシンプルにするといい」という発言がとても印象に残りました。

 旭川には映画の舞台になるすてきな自然と歴史的な建造物がある。未来を見据え、どうしたら暮らしが良くなるかを考えている人が多く、心強く感じました。


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