北海道新聞旭川支社
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北極星

 奥野真人(焼尻・ゲストハウス経営)*新婚新米ウニ漁師  2018/06/18

 最近、僕を取り巻く空気が変わった。思い当たる要因は二つ。一つがウニ漁への参入だ。「おめぇ、漁師やるんだってな」と島民の方々から声をかけられる。これまでも海藻を採ったりホタテ漁船に乗ったりしていたが、それだけじゃ「漁師」とは呼ばないらしい。

 地元漁協の審査を経て、正組合員になった。漁船は90歳過ぎの漁師さんから譲り受けた。ウニ漁への新規参入は島内では十数年ぶりという。収入源を増やそうというのが動機だが、観光客向けの体験メニューにも活用できないかな―などと思案を巡らせている。

 と、かっこいいことを言っても、31歳の新米漁師は何も分かっていない。支度から練習まで教えを請うことばかり。「どら、落とし袋を見てやる」「メガネに酔ってねえか?」「しっかりやれよ結婚したんだから」と気にかけてくれる。

 そう、もう一つの変化が結婚。札幌で働いていた女性をこの春、妻として島に迎え入れたのだ。そのせいか、僕の話になると決まって妻のことがセットになる。「量が少ねぇと怒られるぞ」「奥さんの方が上手なんでねぇか?」「逃げられんなよ」。先輩漁師たちは皆楽しそう。こっちはプレッシャーなのだが…。

 ウニ漁は今月20日から始まり、9月上旬まで続く。移住5年目、新たな局面を迎えた。


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