北海道新聞旭川支社
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北極星

 森川理加子(士別・演劇集団主宰)*急ぐときほど... 2018/06/10

 せいては事をし損じる。呑気(のんき)な性格の割にあわてんぼうの私には身につまされる言葉である。先日も失敗をやらかしてしまった。

 保育園に娘を迎えに行くときのこと。車庫で車を見るとタイヤが1本パンクしている。閉園時間が迫る。慌ててパンクしたタイヤを取り外し、手近にあった冬タイヤを付けた。

 走り出しはデコボコの砂利道だったので気付かなかったが、舗装道路を走ると妙に車が振動する。「1本だけ冬タイヤだとバランスが悪いのか」と納得しかけたが、どうにもおかしい。ガタガタと音が響いて違和感が半端ない。

 素人が見たところでわかるはずもないのだが、そのまま走るのもためらわれ、車から降りてタイヤを眺めた。ナットを触ってみると、指だけでも軽く回ってしまうほどに緩んでいる! 原因はこれか! いつもならレンチに鉄パイプをかぶせて回し、しっかり締めるのだが、今回は急いでいたために腕力だけで締めて終了したのである。

 以前、友人から自分でタイヤ交換したあと、走行中にナットが緩んでタイヤが外れたと聞いて大笑いしたことがあるが、他人を笑っている場合ではない。私も友人も無事だからよかったが、下手をすると大きな事故にもなりかねない。

 急ぐときほど慎重に。これからは気を付けよう!


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