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北極星

 國枝保幸(市立稚内病院長)*病診連携 2018/05/27

 2013年4月、内科医師が1名減となることから、三つのお願いを稚内市広報などに掲載しました。

 《1》安定した慢性疾患の患者さまには診療所への通院をお願いします。

 《2》風邪などの軽症の患者さまは診療所への受診をお願いします。

 《3》午後の診療は原則お断りします。

 午後外来はないのですが、直接来られると断れないため、対応でひとりの医師が夕方まで束縛されてしまいます。《1》と《2》については、「どうして市立にかかったら駄目なのだ!」と言う批判が聞こえてきました。風邪などの軽症、安定した慢性期患者は診療所に通院し、病院はより重症あるいは入院が必要な患者を扱うことが役目です。これが病院と診療所の理想的な関係、「病診連携」という厚労省が以前から推し進めている施策のひとつで、「かかりつけ医」を持つことを勧めています。

 三つのお願いを告知後、市民の反応は迅速で印象的でした。病院の実情を理解して自主的に診療所通院を申し出る方がいらっしゃる一方で、診察室に入ってくるなり「私は絶対にこの病院から離れません!」と声高らかに宣言される方もいらっしゃいました。

 理解を得る難しさを実感した出来事でした。


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