北海道新聞旭川支社
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北極星

 伊藤由紀子(留萌・主婦)*留萌の春は萌っこから 2018/04/15

 新しい道へ進もうとしている子どもがいる家庭では、4月は何かと落ちつかない日を送っているでしょう。留萌管内には大学も専門学校もなく、進学も就職も都会に出て行くことが多い。若いエネルギーを地元にとどめるのは難しいことのようだ。

 「みんな集まって雪の上で楽しもうではないか!」。エネルギッシュな女性たちが呼びかけて「萌っこ春待里(まつり)」は始まった。

 縁の下の力持ちは、それまで「雪上やん衆どすこほい祭り」を盛り上げた男性たちで、知恵と力を惜しまず協力してきた。老若男女と近郊の町からも参加者があって、今年で20年目を迎えた。

 一番はしゃいでいたのは子どもたちで、会場の中央の大きな雪山によじ登ったり、尻滑りをして歓声を上げていた。晴天にも恵まれ、子どもたちのひたいに汗が浮かんでいた。

 応援に力が入ったのはばんばレースで、小型木造船に船頭役の女性を乗せて、数人の漁師役が綱を引いて早さを競った。漁師役が女性の船にはハンディが与えられ、数メートル先からスタートを切る。それぞれの船には大きな大漁旗が風にはためいて、昔のニシン漁がしのばれた。

 「留萌に看護学校を」の声が上がったことがあって、署名をしたり、募金もしたが、その後、音沙汰がない。


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