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北極星

 桑原隆太郎(名寄・文化団体事務局長)*潔しとせず 2017/12/05

 私の姓「桑原」は「くわはら」と読むが、よく「くわばらさん」と声をかけられる。元々「くわばら」姓だったのだが、中学生の時から勝手に「くわはら」を名乗るようになった。はやし言葉の「くわばらくわばら」が嫌だったことと、覚えたての英語の筆記体で「b」よりも「h」の方が上手(うま)く書けたのが理由だ。

 さて、私の名字は「は」でも「ば」でもどちらでも構わないが、次の2例は「どっちでもいいこと」とやりすごすことはできない。

 その1。私が所属する「名寄市風連町文化協会」は「名寄市風連文化協会」ではない。「町」が付くのは、旧風連町から続く文化協会という思いがあるからだ。

 その2。旧風連町は旧名寄市と対等合併した。その結果、両市町とは別の新しい自治体が誕生した。その自治体名としてたまたま「名寄市」が採用された。従って、合併前の「名寄市」と合併後の名寄市は、呼称こそ同じでも自治体としての実質は全く別のものでなければならない。だから「名寄市と合併する前の旧風連町」という言い方は間違いで、ここは「旧名寄市」とせねばならない。

 「旧」の有無など所詮(しょせん)言葉の問題にすぎない、とする向きもあろうが、そういう割り切り方が私にはできない。「建前」が「本音」に勝る場合があるのだと思う。


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