北海道新聞旭川支社
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北極星

 村山修(枝幸・ダイニングバー店主)*寸劇のおかげで 2017/11/30

 毎年この時期になると、ちょっと頭を抱える。恒例の「町民忘年会」が近くあるのだけれど、僕が所属する会は、ステージ出演することが定番になっているからだ。大体は寸劇。今年ももちろん、寸劇。

 内容は当日までのお楽しみとするけれど、準備はすでにはじまっている。寸劇では、ちょっと時代が古めの衣装を用意する必要があるので、実家にあるたんすや押し入れの中を探した。

 祖父母や両親、僕や姉弟の若かりしころの時代…。あるわあるわ、いろんな服が。自分の昔を思い出し、両親や祖父母の暮らしを想像しているうちに目的の衣装を探していることを忘れそうになる。今は軽くて暖かいものがいっぱいあるが、その昔のコートやオーバーは、ずっしりとしていた。

 ところで、オホーツクの漁はそろそろ終わる。冬直前にとれるクチグロマスは、今年もおいしい。食べていたものは子どものころと変わらないけれど、服装はかなり変わってきている。

 衣装とは別に、祖父の外とうをゲットしながら、その日、店で出すクチグロマスのメニューを考える。凝ったものは、客に怒られるので、やっぱり、焼くだけ、刺し身だけ、か。それだけではもったいないのだけれど、頭がまわらない。

 数分の寸劇のために料理に身が入らないと言い訳をしてみる。


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