北海道新聞旭川支社
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北極星

 大橋美智子(旭川・農業)*稲作 今年も一苦労 2017/10/17

 年末でもないのに、もう今年を振り返りたくなるのは、一年一作の米づくりのゴールが近づいているからだろうか。

 農業は、毎年同じことを繰り返しているようだが、毎年のように初めての出来事に遭遇する。昨年は台風に痛めつけられ、追い打ちをかけるように記録的に早く訪れた雪に沈んだ年だった。

 「百姓の来年」という言葉がある。来年こそは、と今年の心残りを次の年に懸ける。そんな気持ちで臨んだ今年、春から慈しんで育てた稲は、夏の太陽を浴びてすくすくと育ち、初秋にはこうべを垂れて黄金色に輝き波打つ姿に安堵(あんど)した。

 ところが稲刈りが始まったばかりの9月25日、雷鳴とどろき突然のひょうが降った。狙い撃ちされたかのようにペーパンの沢では、たくさんのもみが落ちた。初めての出来事を今年も経験してしまった。

 そのひょうが空を壊したのか、と思うくらいにそれから雨の日が多い。雨で田んぼがぬかるんでも、最近のコンバインは立ち往生することもなく力強く進んでいく。しかし、さすがに雨の中を刈り取りできるコンバインはまだ開発されていない。

 そんなわけで実は、まだ稲刈りが終わっていない。今年を振り返っている場合ではなかった。


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