北海道新聞旭川支社
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北極星

 柴田えみ子(旭川・尊厳死協会道支部理事)*仲間 2017/06/22

 子曰(のたま)わく、吾(われ)十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順(したが)う。七十にして心の欲する所に従えども矩(のり)を踰(こ)えず。

 「七十歳になったら自分の心のままに行動しても人の道を踏み外すことが無くなった」と孔子はいっています。70歳になった私は、時々この言葉を反すうしています。

 昨年から習い始めた絵手紙教室は、はがきに描くだけではなく、半紙や天ぷら紙まで使い、ちぎり絵や工作まがいのこともやるという自由で伸び伸びした教室です。

 手を動かしながらおしゃべりしていたかと思うと、急にシーンとなって集中したり、おやつをつまんで笑ったりで、いつも温かな雰囲気に包まれています。型にはまることが苦手な上、そそっかしい私は、先生をはじめ教室のメンバーにどれほど救われているかしれません。

 普段、出張や会議、講演活動でバタバタしているので「あなたほど行方不明になる人はいないよ」とか「電話が通じない」と叱られることも度々です。揚げ句、「バタバタシバタ」とありがたくない異名まで頂戴しています。

 でも、教室では静かに時間を過ごせます。それは、孔子のいう心のままに動ける境地に似ています。ただ、私の場合、自分が円熟して成るのではなく、確実にこの仲間のおかげです。今日も感謝をして教室に向かいます。あ、今日は休みだった。


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