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北極星

佐藤アレーナ(留萌・主婦)*「伝えたい」が大切 2017/03/07

 「英語を覚えるコツは?」「教材は何が良いですか?」とよく聞かれます。そのときは「趣味は何ですか?」と逆に聞き返すことがあります。不思議に思われるでしょうが、趣味でも仕事でも、伝えたい事や知りたい事があれば、外国語は覚えやすいからです。

 アメリカ生まれの私は、日本語を勉強するとき教科書から始めました。でも、主人の祖母や母に日本料理を教わったり、友達とジョギングをしながら、留萌の暮らしや出来事を話すことで、教科書で見た言葉がようやくコミュニケーションのツールとして使えるようになりました。経験的には、こうした方法で習得しなければ言語はなかなか頭に残らないと思います。

 教える立場からも同じ事が言えます。単に英語のフレーズを教えるよりは、生徒たちがおしゃべりしたくなるようなゲームや、共通の話題をテーマにします。学校や地元のイベント、新しいレストランなど、とにかく何か言いたいことがある。覚えた言葉を頭の中に思い浮かべ、間違っていても自ら考えて英語を使う。その瞬間が英会話のはじまりです。

 一方、伝えたいことがなければコミュニケーションはできません。単語や文法は大切ですが、これからの子供たちには「伝えたい気持ち」を身につけてもらいたいものです。


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