北海道新聞旭川支社
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北極星

大谷真樹子(旭川・おでん屋店主)*ちぢんだ  2017/02/11

 風呂上がりに必ず浴室の壁をタオルで拭いています。

 何年か前に福山雅治も同じようなことをしていると聞き、人気歌手と同じだと思うと嬉(うれ)しくなりました。

 でも、アレ!と思うようになったのです。

 今まですいすいと風呂の壁を拭き、洗濯物もひょいと干していたのが、ちょっと背伸びをしています。

 20代の頃は、スカートをはくとウエストがきつい、きっとクリーニングに出してちぢんだのだ、と勝手に思っていたのですが、本当は太ったためでした。

 今、母や自分の若い頃の着物を着るときに、随分丈が長いな、昔はこんな仕立て方が流行(はや)っていたのかな、と考えたりもしたのですが、どうもそうではないようです。

 若い頃、私と同じ背丈だった母は、高齢になるにつれて少しずつ私より背が低くなっていきました。

 私も毎年の健診の身長測定で、なぜ?と思いつつ背が低くなってきています。ナースにこの測定器こわれていない?と聞きましたが、「大丈夫こわれていませんよ」との返事です。

 1年に1センチずつ背が低くなったら、そのうちどんなことになってしまうのでしょうか…。着物にしても、壁拭きにしても、間違いなく自分の背丈がちぢんでしまったことは認めないわけにいかないようです。

 70カラットを迎えました。年齢を重ねると思いもかけないこととの出会いがありますが、心だけは増してゆく年齢とともに深く大きく持ちたいものです。


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